問われる共感

 先日、ネットで見たコラム。倦怠期の夫婦がうまくやっていくために、夫は妻との脳機能の違いを理解します。そして、会話術の”オウム返し”を使って、受容的に「共感」をもって「聞いているふり」をすれば、日々の関係をストレスなく過ごせると言います。  

 妻が“オウム返し”に満足するのは、夫に日々の生活レベルでのストレス解消を求めているからでしょうか。「聞いているふり」と分かっていながらも、それで納得できるレベルだからでしょうか。その意味で、倦怠期の夫婦に“オウム返し”の「共感」は賢明な選択かもしれません。 

 しかし、もっと深い課題を抱えた人への「共感」は、”ふり”ではすまされません。「共感」とは、相手の言葉に耳を傾け、その心情(喜び、悲しみ、怒りetc.)を感じることで心が共鳴することだと私は考えます。客観的な事実や事情を理解するとともに、相手が発する感情の音波を捉えるアンテナを精一杯張り巡らし、その気持ちをしっかり想像できたとき、相手の発する心の音波を捉えることができます。そして、音叉(おんさ)が共鳴するように自らの心も震え始め、相手の音波と重なり合います。そこに、化学反応が起き、ドラマが生まれる。 

 共鳴が起こるには、何よりも振動している音叉と同じ振動数であることが条件です。従ってカウンセラーは、自らの心の振動数を相談者にきっちり合わせることが、問われます。 



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